足のむくみ予防
むくみとは?
日々施術をしていると、患者さんに足の「むくみ」について尋ねられることが多くあります。
足の「むくみ」とはふくらはぎがパンパンになる状態。スネを親指で押すと凹んで元に戻りません。
こんな時は夕方、足がパンパンで靴がきつくなる方も多いです。これはデスクワークで長時間座ったままだったり、長時間の立ち仕事だったりと同じ姿勢からくるもの。またお酒を飲んだ次の日に顔や体がパンパンになることや、塩分の取り過ぎも関係があります。女性特有のものも原因として考えられます。
むくみの原因
当院は整骨院ですので「体のむくみ」でも特に「足のむくみ」についてお話したいと思います。
体は6割が水分です。その体を水の入れ物として考えてみましょう。体を横にして寝ている間は、水分は体中まんべんなく満たされています。この姿勢では病気でない限りむくみません。しかし人間は二足歩行の動物。日常生活で立った状態や座った状態が続くと水分が重力で足の方へと下がってきます。血液は心臓からのポンプ作用によって全身に送られます。上半身は心臓に近いことや常に物を持ったり掴んだりすることで、血液や水分が心臓やリンパ管に戻りむくみにくい場所になっています。
しかし下半身は違います。心臓から遠い場所。しかも重力に逆らい戻らなければならず、心臓のようなポンプ作用が必要です。その役目を担うのが「ふくらはぎ」。「ふくらはぎ」が動くこと(収縮すること)で血液が心臓に戻り、またリンパ液がリンパ管に戻ります。しかし、長時間のデスクワークや立ち仕事ではポンプ作用をする「ふくらはぎ」の動きがありません。だからむくみが出るのです。
僕は空手を習い指導をしているのですが、先日の大会で「ふくらはぎ」の肉離れを起こしました。試合途中にビキッと音が鳴り立てなくなったのです。ドクターの所へ行き「下腿部の肉離れ」と診断されました。歩く事もやっと。階段を降りる時も痛みを我慢して降り自宅へと帰りました。
その肉離れの治療ですが、一番は「ふくらはぎ」を動かさないこと。肉離れが起きているのが「ふくらはぎ」ですので、足首が動くと「ふくらはぎ」も動き、肉離れは治りません。テープや包帯をして完全固定し「ふくらはぎ」を動かさないようにしました。歩く時も痛みがあるので、小股で「ふくらはぎ」が動かないように足を開いてカニのように横歩きしました。数日も経つと肉離れをした右足の皮膚が突っ張り足首までパンパンにむくみました。右足がとても重く感じました。そしてある程度治療が進み、包帯を外して足首を動かすようにすると、あれだけパンパンだった「ふくらはぎ」や足首が元通りに。重かった足も軽くなりました。
「むくみ」をなくすには?
「ふくらはぎ」を動かすこと➡足首を動かすこと(重要なポイントです)
皆さんの足首は動いているようで、実際は動いていません。その証拠がむくみです。
靴がない時代、日本人は「わらじ」や「雪駄」「下駄」を履いていました。もちろん道路は石が転がっているようなガタガタ道。足に力を入れて歩かないと、履き物が脱げてしまいます。だから歩く時は足の指に力を入れていました。足の指に力が入ると履き物は脱げません。また足の指に力が入っているので、地面を蹴るように足首がちゃんと動いて歩けています。ここがポイント!
今の靴は足に力を入れなくても脱げません。また舗装された道路で足に力を入れなくても捻ったりもしません。だから地面を蹴るような歩き方をしなくても歩けるのです。ほとんどの人の歩き方は足を持ち上げるだけの歩き方です。足首が動いていないのです。地面を蹴るように歩くと「ふくらはぎ」が動きむくみも解消されます。
自宅でのケアとして、床や椅子にお尻を付けてもらい、足を少し高めにした状態で足首を動かすといいでしょう。重力がかからない方が水分の戻りもいいです。